認知症治療薬でグローバル企業に躍進した歴史をもつ
エーザイ株式会社を企業分析・企業研究していきます。

株価推移・歴史・主要ニュースからエーザイを読み解いていきます!

就活で企業分析しているんだけど、わかりやすく教えて欲しい!

就活や転職をしている方向けに、実際に製薬企業で働いている研究者の視点から、わかりやすく解説していきたいと思います。
「企業の業績」と「株価」には密接な関係にあるため、今回は株価を用いて説明します。
就活生にとっては聞き慣れない単語もあるかもしれませんが、わかりやすく解説して行きます。
時価総額
エーザイの時価総額は2.18兆円です。(2021年1月8日時点)
国内の製薬企業では第6位です。
製薬企業の時価総額ランキングは下図にまとめました。(参考:Google Finance)



簡単に言うと、その企業を買収するのに必要な金額だよ!
歴史
初期
創業は1941年です。
ビタミン剤「チョコラ」で会社の基盤を確立しました。(参考:エーザイ)

CMでよく見るチョコラBBだ!

現在でも多くの人に飲まれているね!
次は、株価の推移を参考に近年の歴史を振り返っていくよ!
近年
株価の推移を参考に近年の歴史を振り返っていきます。

「アリセプト」で一世風靡
1997年に、アルツハイマー治療薬「アリセプト」が米英独で発売されました。
ピーク時には年間3000億円を超える売上を叩き出し、エーザイをグローバル企業へと飛躍させました。(参考:日本経済新聞)
特許の崖(パテントクリフ)

特許の崖(パテントクリフ)ってよく聞くけど、そもそも何のこと?

新薬の特許が切れて、売上が急落することだよ。
安い後発品(ジェネリック)がたくさん出てきて、急速にシェアを奪われちゃうんだ。
アリセプトで、エーザイはまさにこの「特許の崖」に直面し、10年以上株価が低迷しました。
2010年の米国での特許切れを皮切りに、相次いで世界各国で特許切れが起こりました。
さらに、10年以上どの分野からも新薬が出ないと言う、辛く厳しい時代を迎えました。
アルツハイマー新薬を巡って株価が乱高下
2014年3月、エーザイは米バイオジェンとアルツハイマー病治療薬を共同開発することで提携しました。(参考:日本経済新聞)
以降、エーザイとバイオジェンはアルツハイマー新薬「アデュカヌマブ」の共同開発を進めていきます。
このアデュカヌマブの臨床試験の進捗が発表される度に、その結果の良し悪しで、
エーザイの株価は乱高下しました。
FDAによるアデュカヌマブ承認の運命の判定は2021年3月7日までに下されることになっています。
世界中が固唾を飲んで見守る中、どのような判定となるのでしょうか。

何で共同で開発をしているの?

良い質問だね!
アルツハイマー治療薬の開発には膨大なお金が必要だからと言われているよ!
現状

エーザイの現状を、「重点領域」「最近のニュース」から読み解いていきたいと思います。
重点領域
エーザイは「神経領域」と「がん領域」を重点領域に定めています。
今なお十分な治療法が確立していない疾病が多くある「神経領域」と「がん領域」を重点領域としています。患者様のアンメットニーズを充足するために、中期経営計画「EWAY 2025」では、2025年度に向けてエーザイがめざす企業像を「MEDICO SOCIETAL INNOVATOR」、すなわち「薬とソリューションで社会を変える企業」と定めています。
引用:エーザイ
ポジティブなニュース
アルツハイマー治療薬「アデュカヌマブ」の承認申請
2020年7月にアルツハイマー病治療薬として米国FDAへ申請をしました。(参考:エーザイ)
さらに、10月には欧州のEMAに申請し、(参考:エーザイ)
12月には日本でも申請をしています。(参考:エーザイ)
承認されれば、アルツハイマー病の進行に本源的な変化をもたらす可能性を持つ、初めての治療薬になるだけに、大きな期待を背負っています。
抗がん剤「レンビマ」
もう一つの重点領域である「がん領域」では、
2018年3月に、抗がん剤の開発で米製薬大手メルクと提携すると発表しました。
適応症や販売地域の拡大により、「レンビマ」の売上を3倍にできると意気込んでいます。
さらに、販売目標を達成すると、メルクから最大で6000億円を受け取ることになっています。(参考:日本経済新聞)
ネガティブなニュース
「アデュカヌマブ」承認目前で暗雲
2020年11月6日、米FDAに新薬承認の推薦などを行っている「諮問委員会」で、
予想に反して、委員のほとんどが、有効性に否定的な立場を取りました。(参考:エーザイ)
諮問委員会の提言は拘束力をもたないため、FDAが従う必要はないが、承認目前で暗雲が立ち込めています。

何で承認に対して意見が分かれているの?

鋭い質問だね!
臨床試験の結果が矛盾してて、完璧な結果とは言い切れないからだよ!

以上、エーザイについて分析してみました!
この記事によって、皆さんが製薬企業に興味を持って、調べたり勉強したりするきっかけになれば嬉しいです!
参考文献
さらに詳しく知りたい方は、下の文献がおすすめです!
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