【製薬企業比較まとめ】時価総額トップ6社を徹底分析(22卒就活生必見)【2021年更新】

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製薬企業の時価総額トップ6社を徹底分析します。

2021年1月時点の時価総額トップ6社は、ランキング順に、

中外製薬第一三共武田薬品工業アステラス製薬大塚ホールディングスエーザイです。

就活で企業分析しているんだけど、わかりやすく教えて欲しい!
就活や転職をしている方向けに、実際に製薬企業で働いている研究者の視点から、わかりやすく解説していきたいと思います。
 
上の表は、トップ6社をまとめた表です。
順番に説明していきます。
この記事でわかること
① 時価総額という指標
② 製薬企業6社の特徴
③ 製薬企業6社の研究開発の重点領域
④ 製薬企業6社の2020年重大ニュース

「企業の業績」と「株価」には密接な関係にあるため、今回は株価を用いて説明します。

就活生にとっては聞き慣れない単語もあるかもしれませんが、わかりやすく解説して行きます。

時価総額とは?

時価総額とは、ある企業の株価に発行済株式数を掛けたもので、企業の価値を表す指標の一つです。

わかりずらい。。。
簡単に言うと、その企業を買収するのに必要な金額だよ!
時価総額とは?
企業価値の指標の一つです。 簡単に言うと、その企業を買収するのに必要な金額です。 (実際には、買収額=時価総額となることはほとんどありません)
時価総額には、現在の業績だけでなく、将来の成長も織り込まれていると言われています。
*「時価総額」=「株価」×「全世界の株の数」
つまり、「時価総額の大きい企業」は、「現在の業績が良く」さらには「将来的な成長の期待が大きい」ってことか!
そうだね!
続いて、時価総額ランキング順に解説していくよ!

 

中外製薬

【特徴】 抗体、ロシュとの提携

中外製薬は、時価総額第1位、日本で最も勢いのある製薬企業です。

国産初の抗体医薬「アクテムラ」を開発し、その後、世界最先端の抗体エンジニアリング技術を次々と開発しています。

また、ロシュとの「戦略的アライアンス」によって、創薬に集中できる環境が整っています。

 

【重点領域】 技術ドリブン

製品は「がん」「骨・関節」「腎」の領域を中心に構成されていますが、

特定の疾患に限定しない技術ドリブンでの創薬に取り組んでいます。

 

【2020年の重大ニュース】 抗体技術をライセンス

世界最先端の抗体エンジニアリング技術を有する中外製薬は、

欧米4社に抗体技術を貸し出しています。

 

 

第一三共

【特徴】 ADC

第一三共は、抗体薬物複合体(ADC)で勢いに乗る製薬企業です。

ADCは、「抗体の強み(がん細胞を狙い撃ちにできる)」と「薬物の強み(薬効が高い)」による相乗効果が期待されている次世代の薬であり、

着実に、がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業として成長しています。

 

【重点領域】 がん

ADCを中心としてがん領域に注力しています。

第一三共は、長らく医療用の他にも一般薬や後発薬、ワクチンなど幅広く展開してきましたが、

近年は、がんに注力することを明言しています。

 

【2020年の重大ニュース】 ADCで1兆円超の評価

2019年、2020年と立て続けに、ADCの共同開発で英製薬大手アストラゼネカと大型提携をしました。

2剤の合計で、最大1兆円超の対価を受け取ることになっています。

 

 

武田薬品工業

【特徴】 売上世界トップ10入り

武田薬品工業は、念願の売上世界トップ10入りを果たした製薬企業です。

2019年に、アイルランド製薬大手のシャイアーを6兆円を超える金額で買収したことにより、

日本企業で初めて、売上高で世界トップ10に入る巨大製薬会社が生まれました。

 

【重点領域】 オンコロジー・消化器系疾患・希少疾患・ニューロサイエンス

オンコロジー・消化器系疾患・希少疾患・ニューロサイエンスに絞った研究開発に注力しています。

 

【2020年の重大ニュース】 ノンコア領域売却による選択と集中

ノンコア領域を相次いで売却し、「選択と集中」の戦略が鮮明になってきています。

その代表例が、武田コンシューマーヘルスケア(アリナミンやベンザブロックなどの一般薬を手がける)の売却です。

 

 

アステラス製薬

【特徴】 幅広い分野で最先端

アステラスは、幅広い分野で、最先端の研究開発を推進している製薬企業です。

「イクスタンジ」の売上拡大によって、パテントクリフから業界の中でもいち早く這い上がりました。

 

【重点領域】 Focus Areaアプローチ

「がん」や「泌尿器」を強みとしていますが、特定の領域に限定せず、

Focus Areaアプローチと呼ばれる方法で、将来有望と判断された分野には注力する環境が整っています。

 

【2020年の重大ニュース】 ADC大型新薬、新たな研究戦略

ADC大型新薬「パドセブ」に期待が掛かっています。

一方、新たな研究戦略である遺伝子治療の領域では、1月にバイオ企業オーデンテス・セラピューティクスの買収を完了させ、大型案件となりました。

 

 

大塚ホールディングス

【特徴】 医療用薬と一般薬の両輪

大塚ホールディングスは、グループで幅広い事業を展開している製薬会社です。

特に、医療用医薬品の他にも、一般薬などに注力しています。

大塚製薬が世界に知れ渡るきっかけとなった「エビリファイ」のパテントクリフを、多様な新薬開発により乗り越えました。

 

【重点領域】 精神疾患、神経疾患、がん・免疫

重点領域は、精神疾患、神経疾患、がん・免疫です。

 

【2020年の重大ニュース】 個別化医療への挑戦

3月に、造血器腫瘍を対象とするがん遺伝子パネル検査を開発しました。

個別化医療の他にも、デジタルメディスンなどへの挑戦も続けています。

 

 

エーザイ

【特徴】 認知症薬

エーザイは、認知症治療薬で世界中から注目を集めている製薬企業です。

1997年に、発売開始されたアルツハイマー治療薬「アリセプト」で一世風靡しました。

現在は、アルツハイマー病の根本治療薬として「アデュカヌマブ」の開発に注力しています。

 

【重点領域】 神経領域・がん

重点領域は、神経領域とがん領域です。

 

【2020年の重大ニュース】 アルツハイマー新薬承認を巡って一進一退

ここ5年間は、アデュカヌマブの臨床試験をめぐって株価が乱高下しました。

アデュカヌマブは一度、臨床試験が中止となっていましたが、

2019年には、米国で承認申請をし、2020年11月には、有効であると指摘されています。

現在は審査が延長されており、目標日は2021年6月とされています。

 

 

まとめ

今回は、時価総額といった切り口で製薬企業を6社取り上げ、比較しました。

この記事によって、皆さんが製薬企業に興味を持って、調べたり勉強したりするきっかけになれば嬉しいです!

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