【大日本住友製薬】2021年10月決算発表!大塚と提携で好決算 大日本住友の将来性は?(製薬ニュース解説 第36号)

大日本住友製薬

大日本住友製薬は、2021年10月27日に、2021年度第2四半期決算を発表し「今年度の第2四半期累計売り上げは、前年比+12%の2937億円であった。」と発表しました。

(参考:大日本住友製薬

ニュースのポイント
・売上高が前年比+12%の好決算を発表
・増収要因は、大塚製薬からの契約一時金
・決算発表後、株価は急落
・次世代の成長エンジンとして「再生医療」や「デジタル医療」に積極投資

大幅な増収だね!

大塚製薬との提携による収益が影響して、増収となったね!
大日本住友製薬は、デジタル医療や再生医療など新たなチャレンジも進めていて期待が持てるね!

大日本住友製薬の「好調な要因」と「今後の見通し」について教えて!

製薬企業ではたらく研究者の視点から、順にわかりやすく解説していきます!



2021年第2四半期決算

決算概要

2021年第2四半期決算を発表しました。(参考:大日本住友製薬

今期(4~9月) 前年同期比(4~9月) 通期予想の進捗率(4~9月)
売上高 2937億円 +12.3% 50.8%
営業利益 476億円 +0.1% 78.0%

大幅な増収増益だね!

売上高は、当初の予想通り推移しているね!

・増収要素:大塚製薬との提携による収益(+297億円)
・減収要素:COPD治療剤「ブロバナ」の独占販売が終了(-60億円)

増収要素:大塚製薬との提携(+297億円)

大日本製薬は、2021年9月30日に、「精神神経領域で開発を進めている4つの新薬候補化合物について、大塚製薬と全世界を対象とした共同開発・共同販売に関するライセンス契約を結んだ。」と発表しました。
(参考:大日本住友製薬

共同開発で提携したの?

そう!
統合失調症薬など計4つの新薬候補について、共同で開発することとしたよ!

大日本住友製薬は、売上を大塚製薬と折半する代わりに、今回のように契約一時金(297億円)をはじめとして約1000億円の対価を受け取ったり、開発や販売の費用を折半するとしているよ!

大日本住友製薬としては、売上が目減りしてしまうけど、大塚製薬のノウハウを活かせたり、開発費用を抑える事ができるから、メリットも大きいね!

そうだね!早いものは2023年の製品化を目指すとしているよ!

 

減収要因:COPD治療剤「ブロバナ」の独占販売が終了(-60億円)

独占販売が終了したの?

そう!
去年の同期時期は151億円稼いでいたけど、-60億円の91億円となったよ。。

他の薬はどうなの?

主力製品である抗精神病薬「ラツーダ」は、北米で前年同期比-3.4%の1010億円と、主力品の売上拡大が頭打ちとなっているんだ。。

 

 

株式市場の評価

2021年に入って、大日本住友製薬の株価は日経平均株価を大きくアウトパフォームしてきましたが、決算発表後の2021年10月28日には、前日比-15%となり大暴落しました。

大暴落の要因は?

増益の好決算なのに、なんで大暴落!?
株式市場の評価は低い理由は何なの?

営業利益の伸びが少ない事が言われているね。。
糖尿病新薬「ツイミーグ」などにより、販売費用が前年比+33%の1244億円となり、営業利益を圧迫しているんだ。。

なるほど!
冷静に考えれば、増収要因は契約一時金だから、今後の業績には影響しないもんね。。

契約一時金によって増収となったものの、販売費用の増加や主力品の売上減少によって、通期の売り上げ予想は変更なしで、失望売りが広まったとも言われているよ。。

厳しい状況だね。。

次なる収入源が望まれているんだね!

そうだね!
次は、大日本住友製薬の研究開発活動について解説します!

 

 

大日本住友製薬の将来性

今後の中長期的な成長を牽引すると期待している「再生・細胞医療」や「デジタル医療」に対して、積極的な研究開発を推進しています。

大日本住友で初の「再生医療製品」が承認

大日本住友製薬は、2021年10月11日に、「希少疾患’小児先天性無胸腺症’を対象として、米国で再生医療製品’RETHYMIC(リサイミック)’が承認を取得した。」と発表しました。

(参考:大日本住友製薬

小児先天性無胸腺症??

免疫細胞をつくる胸腺が生まれつきない難病で、これまでは根本的な治療法が存在しなかったんだ。。

今回承認された再生医療品はどんな治療薬なの?

他人の細胞を培養して作った胸腺組織を移植することで、患者の胸腺機能を再生するように設計されているよ!

再生医療の研究開発は他にも進んでいるの?

京都大学などと共同で、iPS細胞を使った医薬品も研究開発が進んでいて、早いものは2023年度の製品化を目指しているよ!

再生医療の開発パイプライン
・iPS細胞由来網膜色素上皮(加齢⻩斑変性)
・iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞(パーキンソン病)
・iPS細胞由来網膜シート(網膜色素変性)
・iPS細胞由来神経前駆細胞(脊髄損傷)
・iPS細胞由来ネフロン前駆細胞(腎不全)

思ったより多い!!
治療法が確立していない疾患に対して、画期的な新薬となることに期待だね!

製品化目前!デジタル医療

デジタル医療の分野では、2022年度に3つの製品を発売することを目標としています。

2022年度の製品化を目指すデジタル医療
・2型糖尿病管理指導アプリ
・認知症周辺症状用機器
・社交不安障害用VRコンテンツ

来年度なのか!製品化目前だね!

大日本住友製薬は、様々なベンチャー企業と共同で、デジタル医療の研究開発を積極的に行なっているよ!

どんなデジタル医療を研究開発してるの?

予防、診断、治療、介護、社会復帰に至るまで幅広くアンメットニーズに応えるプロジェクトを展開しています!


(参考:大日本住友製薬 フロンティア事業説明会資料

ほとんどは2025年までの製品化を目指しているよ!

すごい!たくさんのプロジェクトが進行中なんだね!

デジタル医療の分野を、次世代の成長エンジンに掲げている大日本住友製薬の今後に期待だね!

 

まとめ

・売上高が前年比+12%の好決算を発表した。

・大塚製薬からの契約一時金298億円などにより、増収となった。

・決算発表後、株価は急落した。

・次世代の成長エンジンとして「再生医療」や「デジタル医療」に積極投資を進めている。

 

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