今週、製薬業界で起きたニュースを3つに絞って解説します。

わかりやすく、サクッと教えて!

製薬企業ではたらく研究者の視点から、
押さえておきたい今週のニュースを3つに厳選して、わかりやすく解説します!
【第一三共】コロナワクチン治験開始
3月22日、第一三共は、新型コロナウイルス感染症に対する、mRNAワクチンの国内臨床試験を始めたと発表しました。(参考:第一三共)
まずは、国内の152名を対象に、安全性や免疫応答を評価し、ワクチンの用量を検討するとしています。

そもそも、mRNAワクチンって何?

DNAはよく設計図にたとえられるけど、mRNAはその設計図を写したコピー用紙に相当するよ!
このmRNAを体内に投与して、ウイルスの一部を体内で作らせるんだ!

mRNAワクチンって、接種が始まっているファイザー社のワクチンと同じ種類だね!
従来のワクチンとは違う新しいワクチンなんだよね?

そうだね!
従来のワクチンよりも、大量生産が簡単で、開発もスピーディーだよ!

第一三共のワクチンの特徴って何?

独自の新しい技術でmRNAを粒子に包んでいることだよ!
このことによって、mRNAの分解や炎症が起きにくくなることが期待されているんだ!

次のパンデミックに素早く対応するためにも、国産ワクチンには期待だね!
【JCRファーマ】脳に届ける技術で、ムコ多糖症II型薬の承認取得
3月23日、JCRファーマは、ムコ多糖症Ⅱ型(ハンター症候群)治療薬「イズカーゴ」が厚生労働省より承認されたと発表しました。(参考:JCRファーマ)
血液脳関門を通過し、脳内で直接効くため、従来は効果が期待できなかった中枢神経症状の改善が期待できるとしています。

血液脳関門って何?

脳のバリア機能のことだよ!
血液脳関門によって、血流を巡っている薬が脳に届かないんだ!

JCRファーマの技術の特徴って何?

脳が血中の鉄分を取り込む特性を利用して、この血液脳関門を突破したんだ!

この技術を、認知症治療薬にも応用できたら画期的だね!
【中外製薬】国内初、血液検体を使うがん遺伝子パネル検査、承認
中外製薬は、3月22日に、国内初となる血液検体を使ったがん遺伝子パネル検査「FounfationOne Liquid CDx」が厚生労働省より承認されたと発表しました。(参考:中外製薬)

そもそも、がん遺伝子パネル検査って何?

がんの特徴を遺伝子レベルで調べる検査の一つで、
一度にたくさんの遺伝子変異を調べることができるんだ!

遺伝子変異を調べて、何に役立つの?

最適な薬を選択して、一人ひとりに合わせた治療(個別化医療)ができるようになるよ!
同じ臓器のがんでも、様々な作用メカニズムの薬があるから、個別化医療が望まれているんだ!

今回の、がん遺伝子パネル検査はどんな技術なの?

中外製薬は、これまで「がんの組織検体から調べる」がん遺伝子パネル検査の承認は取得していたけど、今回「血液検体から調べる」ことができるようになったよ!

今後は、どんなことが期待されているの?

検査をしても遺伝子変異が見つからず、効果的な治療ができないといった課題があったけど、
組織検体と血液検体や他の手法を組み合わせることで、よりたくさんの患者に提供できると期待されているよ!
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