【ベスト3】製薬業界 今週のニュース 第10号(〜2021年4月23日)

💊製薬業界ニュース

今週、製薬業界で起きたニュースを3つに絞って解説します。

製薬ニュース毎週投稿も、今回で’第10号’だね!

今週も、製薬業界のニュースをわかりやすく、サクッと教えて!

製薬企業ではたらく研究者の視点から、

押さえておきたい今週のニュースを3つ厳選して、わかりやすく解説します!



【富士フイルム】「アビガン」新たな治験開始(コロナ治療薬)

アビガンとは?

富士フイルム富山化学は、4月21日、新型コロナウイルス感染症への適応が見送られていた抗ウイルス薬「アビガン」について、新たな内容で国内臨床試験を開始したと発表しました。
参考:富士フイルム

基礎疾患や肥満といった重症化リスクを持つ発症早期の患者を対象に、重症化した患者の割合を主要評価項目として、有効性を検証するとしています。

前回の治験では、何で適応が見送られたの?

厚生労働省によると「昨年12月の時点で得られたデータから本剤の有効性を明確に判断することは困難」だからとしているよ!

具体的にはどういうこと?

アビガンの投与によって早期に症状が改善することが示されたけど、「単盲検試験(医師が事前に本物の薬か偽薬か分かった状態で実施する試験)」で行ったことなどが議論になっていたんだ。。。

今回は、「二重盲検試験(治験に関わる全ての人が事前に本物の薬か偽薬か知らない状態で実施する試験)」で行うの?

そうだね!

前回の結果で、発症早期の患者で症状改善を早める効果が示唆されたとしているから、重症化を防ぐ治療法として期待されているよ!

 

【中外製薬】抗体カクテル療法 治験開始(コロナ治療薬)

抗体カクテル療法とは?

中外製薬は、4月22日の決算発表の中で、3月に治験を開始している抗体カクテル療法について、2021年内の承認申請を目指していることを明らかにしました。(参考:中外製薬

抗体カクテル療法については、海外の複数のP3試験で主要評価項目を達成しています。

抗体カクテル療法って何?

2種類の抗体を組み合わせた薬だよ!

何で2種類の抗体を組み合わせているの?

組み合わせることで、相乗効果が期待できるからだよ!

開発中の2種類の抗体は、ウイルスの外膜に競合せずに結合することで、変異するウイルスに対しても効果を示すことが期待されています。

そういえば、抗体カクテル療法って、トランプ大統領が感染した時に受けた治療だよね!

そうだね!

カクテルによって、製造コストが高いなどの問題などもあるけど、治療薬の開発には期待です!

(参考:ScienceNature

 



【ステラファーマ】東証マザーズに上場 ストップ高

バイオベンチャーのステラファーマは、4月22日、東証マザーズに上場しました。
参考:日本取引所グループ

初値は公開価格を大きく上回る712円をつけた後、終値はストップ高の862円で、時価総額は237億円となりました。

ステラファーマへの株式市場の評価は高いね!
どんな会社なの?

ステラファーマは、BNCTというがんの治療法に使う薬剤開発に取り組んでいる会社だよ!

BNCTで使う薬剤として世界初の承認を受けたんだ!

そもそも、BNCTって何?

BNCT(Boron Neutron Capture Therapy:ホウ素中性子捕捉療法)は、放射線治療の一種で、新しいがんの治療法だよ!

放射線治療って、がんの4大治療法の一つだよね!

がんの4大治療法
①手術療法 ②放射線療法 ③化学療法 ④免疫療法

BNCTって具体的にどんな治療法なの?

ホウ素と中性子の核分裂反応を利用して、がんを破壊する治療法だよ!

BNCTの流れ
①ホウ素を点滴投与
②がん細胞にホウ素が取り込まれる
③中性子線の照射により、核分裂反応を起こし放射線が発生する
④がん細胞が破壊される

核分裂反応って、副作用はないの?

ホウ素に’アミノ酸を搭載させる’ことによって解決したよ!
がん細胞がアミノ酸を取り込む特性を利用して選択的にがん細胞へホウ素を届けているんだ!

さらに、核分裂反応のエネルギーは、細胞一つ分の大きさに留まるとしているよ!

ステラファーマは今後どうするの?

日本で確立した最先端の医療技術を世界へ発信するとしているよ!
国内では、頭頸部癌の治療として承認された適応の拡大を目指すとしています!

 

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