2月から毎週連載を開始し、今回は第21号!
製薬業界で起こった 2021年7月9日までの最新トピックスを 3つに厳選して解説します。

今週は「共同研究」に関するニュースが多いね!

創薬の難易度が高まっている今、製薬企業は色々なチャレンジをしているよ!
企業の垣根を超えて、協力してデータを集めたり、最先端装置を有効活用したりして国際競争力を高めているんだ!

オールジャパン体制だね!
今週も、製薬業界のニュースをわかりやすく、サクッと教えて!

製薬企業ではたらく研究者の視点から、順にわかりやすく解説していきます!
【東北大】製薬5社と連携 10万人のゲノム解析で個別化医療を目指す
東北大東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)は、7月7日に、「製薬企業5社と連携して、10万人分の全ゲノム解析を行い、医薬品開発を推進するコンソーシアムを設立した」と発表しました。(参考:東北大学)

そもそも、ゲノム解析って何??

遺伝情報を解析することだよ!
「遺伝子の役割」と「病気の原因」の関係を解明することを目指しているんだ!

遺伝情報を解析して何の役に立つの?

「個別化医療」と呼ばれる、患者一人ひとりの症状に合わせた治療が実現できるよ!
具体的には、患者と健康な人との遺伝情報を比べて、「病気と遺伝子変異の関係」を発見して、創薬につなげるんだ!

個別化医療は最近よく聞くね!
ところで、製薬5社ってどこなの??

エーザイ、小野薬品工業、武田薬品工業、第一三共、ヤンセンファーマだね!
武田薬品工業とは、2020年4月にすでに共同研究を始めていたよ!

具体的には、どんな活動をするの?

血液や尿などの生体試料を集めて、ゲノム解析を行い、「バイオバンク」と呼ばれるデータベースを構築することを目指しているよ!

バイオバンク構築のために、各製薬会社や研究機関が力を合わせて、資金や技術を集結させているんだね!

英国ではすでに50万人規模のバイオバンクが構築されていて、世界中ではまさに100万規模の構築が目指されているよ!
【NIMS】製薬11社と共同研究 最先端装置を共用
国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)は、「製薬企業11社と連携して、医薬品に関するマテリアルズオープンプラットフォーム (MOP) を発足させた」と発表しました。(参考:NIMS)

マテリアルズオープンプラットフォーム(MOP)??

色々な製薬会社が企業の壁を超えて「共同研究する場所」のことだよ!

NIMSがもつ最先端装置や、豊富なノウハウを有効活用するんだね!
製薬11社ってどこなの?

アステラス製薬、エーザイ、沢井製薬、塩野義製薬、第一三共、大鵬薬品工業、武田薬品工業、田辺三菱製薬、中外製薬工業、東和薬品、日本新薬だよ!

具体的にはどんな共同研究をするの?

薬を高度に分析したり、安定で有効性の高い薬をつくる研究だよ!
近年は、抗体や核酸など新しいタイプの医薬品が実用化されていて、新たな技術の確立が望まれているんだ!

各製薬企業が力を合わせて、新しい技術が生み出されることに期待だね!

創薬の難易度が上昇していると言われている中、オールジャパンで協力して、国際競争力の高い技術の確立が求められています!
【三井不動産】研究所もシェアの時代? 賃貸ラボをオープン
三井不動産とライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)は、7月8日に、「東京・新木場に、研究所を併設した賃貸オフィス’三井リンクラボ新木場1’をオープンした」と発表しました。(参考:三井不動産)

賃貸ラボってどういうこと?

その名の通り、研究所の賃貸だよ!
液体や気体などを使った本格的な実験をすることができるんだ!

すでに、バイオベンチャーや、ライフサイエンス業界に進出するIT企業などの入居が決まっているよ!
具体的には、NECソリューションイノベータ、シミックなどだね!

賃貸ラボにはどんなメリットがあるの?

賃貸ラボには、様々な企業が集まるから、企業や業種の垣根を越えた連携・イノベーションが進むことが期待できるよ!

賃貸だから初期投資が少なくすむし、スタートアップ企業がたくさん誕生しそうだね!

異業種の融合によって、革新的なイノベーションが生まれることに期待だね!

今後はどうするの?

2023年までに日米で5棟の体制とする計画だとしているよ!
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