【今週のニュースBest3】アステラス、次世代 肺炎球菌ワクチン など(〜2021年7月16日)第22号

💊製薬業界ニュース

2月から毎週連載を開始し、今回は第22号!

製薬業界で起こった 2021年7月16日までの最新トピックスを 3つに厳選して解説します。

今週のトピックスBest3
①【アステラス製薬】次世代肺炎球菌ワクチン 画期的新薬候補に指定
②【サノフィ】従来型コロナワクチン 最終段階の治験開始
③【アステラス製薬】異分野融合で初の事業化 心電図解析サービス開始

今週は、アステラスの成果が目立つね!

アステラスは異分野融合にも力を入れていて、ついに成果が出始めてきているね!
今週も様々な新技術が登場するよ!

新しいタイプのコロナワクチンの開発も進んでいるんだ!

今までは、DNAやRNAなどの’新技術’を使ったワクチン開発が先行していたけど、
ここへ来て、インフルワクチンなどに使われている’従来の技術’を用いたワクチン開発も最終段階に入ったね!

今週も、製薬業界のニュースをわかりやすく、サクッと教えて!

製薬企業ではたらく研究者の視点から、順にわかりやすく解説していきます!



【アステラス製薬】次世代肺炎球菌ワクチン 画期的新薬候補に指定

アステラス製薬は、7月13日に、「開発中の肺炎球菌ワクチンが米国でブレークスルーセラピーの指定を受けた」と発表しました。

このワクチンには、次世代技術である’多重抗原提示システム’が利用されています。(参考:アステラス製薬

ニュースのポイント
・アステラス製薬は、肺炎球菌ワクチンでブレークスルーセラピー指定を受けた
・多糖類とタンパク質の両方に対して効果のある’多重抗原提示システム’を利用している

そもそも、ブレークスルーセラピーって何??

革新的な新薬候補のことだよ!

ブレークスルーセラピー指定を受けると、効率的な開発を進めるための助言を受けたり審査を迅速化したりすることが可能になるんだ!

肺炎球菌はどんな細菌なの?

全世界で感染者が多く、肺炎を引き起こす細菌だよ!
特に免疫力の弱い高齢者は重症化しやすいんだ!

ブレークスルーセラピーに指定された理由は?

多様な肺炎球菌に対する効果が期待されているワクチンだからだよ!

肺炎球菌は、約100種類の型が確認されていて、従来のワクチンでは対応できないことが課題となっていたんだ!

どんな技術が使われているの??

次世代技術の「多重抗原提示システム」が使われているんだ!
多糖類抗原とタンパク質抗原を組み合わせたんだ!

肺炎球菌とは?

従来は、多糖類だけを抗原として使っていたため、効果が限定的だったんだ。。。

タンパク質と多糖類を組み合わせて、多様な肺炎球菌に対応できるワクチンを開発しているんだね!

そうだね!
今後は、臨床試験の最終段階に入る計画だよ!

 

【サノフィー】従来型コロナワクチン 最終段階の治験開始

仏製薬大手サノフィは、7月12日に、「英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)と共同で開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、最終段階の臨床試験を日本でも開始した」と発表した。(参考:サノフィ

ニュースのポイント
・サノフィとGSKが共同開発しているワクチンについて、日本でもP3試験を開始した
・組換えタンパク質ワクチンと呼ばれる、従来の技術を使ったワクチンである

サノフィのワクチンってどんな種類のやつだっけ??

ウイルスの一部を合成して作ったワクチンだよ!

「組換えタンパク質ワクチン」と呼ばれているよ

すでに承認されているDNAやRNAなどの’新しい技術’を使ったワクチンではなくて、’従来の技術’を使ったワクチンなんだね!

そう!従来型は開発が遅れていたけど、ここへきて開発が加速してきたね!
サノフィとGSKは、インフルエンザワクチンですでに確立した手法で開発しているよ!

サノフィとGSKが共同で開発していいるの?

サノフィの遺伝子組換え技術と、GSKのアジュバント技術を組み合わせたワクチンだよ!

ワクチンの選択肢が増えて、変異株にも対応できるワクチンが開発される期待だね!



 

【アステラス製薬】異分野融合で初の事業化 心電図解析サービス開始

アステラス製薬は、7月16日に、「テックベンチャーのエムハートと共同開発したホルタ解析装置用プログラム’マイホルターII’の提供を開始した」と発表しました。

マイホルターII は、ホルター型心電図検査のデータを人工知能(AI) を用いたアルゴリズムにより解析するプログラムであるとしています。

参考:アステラス製薬

ニュースのポイント
・アステラスとエムハートが共同開発した心電図解析サービスが、商業化を開始した
・独自のAIを用いた解析アルゴリズムにより、高精度かつ高効率に心電図データ解析を行う
・アステラスが進めるRx+事業で、初の本格的な事業化の成功例となった

そもそも、ホルター型心電図検査って何?

携帯用の小型記録計を用いて、24時間ずっと心電図を記録する検査のことだよ

ホルター型心電図検査って何に使うの?

「心房細動」と呼ばれる症状を、早期発見することに使うんだ!
心房細動は、心臓の一部が小刻みに震え、血液をうまく全身に送り出せなくなる症状で、様々な心疾患の原因となっているよ。。。

今回、事業化されたプログラムには、どんな技術が使われているの?

独自のAIを用いた解析アルゴリズムが使われているよ!
大量の心電図データを、高効率かつ高精度で自動解析することに成功したんだ!

製薬企業が、薬以外のサービスを提供する時代が来たんだね!

アップルウォッチを始めとした、デジタルヘルスの領域では、異分野の融合による開発競争が激化しているよ!

アステラスって、異分野融合を積極的に行なっているよね?

そうだね!「Rx+事業」として、
’医薬品の枠を超えて、最先端の医療技術と異分野の先端技術を融合させる’というビジョンを打ち出しているよ!
参考:アステラス製薬

異分野融合による新技術開発は、見ていてワクワクする!
今後にも期待だね!



 

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