2月から毎週連載を開始し、今回は第23号!
製薬業界で起こった 2021年7月23日までの最新トピックスを 3つに厳選して解説します。

今週は、コロナ関連のニュースが多いね!

第4のコロナ治療薬が承認されたね!
新しいタイプのワクチンの研究も始まったよ!

今週も、製薬業界のニュースをわかりやすく、サクッと教えて!

製薬企業ではたらく研究者の視点から、順にわかりやすく解説していきます!
【中外製薬】第4のコロナ治療薬 特例承認
中外製薬は、7月19日に、「抗体カクテル療法’ロナプリーブ点滴静注セット’が、新型コロナウイルス治療薬として特例承認された」と発表しました。
軽症・中等症の患者を対象としたコロナ治療薬としては国内初としています。(参考:中外製薬)

そもそも、抗体カクテル療法って何??

2種類の抗体を組み合わせた治療薬のことだよ!
具体的には、新型コロナウイルス中和抗体である「カシリビマブ」と「イムデビマブ」が組み合わされているよ!

何で、2種類の抗体を組み合わせてるの??

組み合わせることで、相乗効果が期待できるからだよ!

抗体カクテル療法って第4のコロナ治療薬なの?

そう!
これまで、3つのコロナ治療薬が承認されたんだ!
抗体カクテル療法が承認されたことで、4つ目の治療薬となったよ
!

抗体カクテル療法の特徴は何?

軽症者を対象とした国内初のコロナ治療薬だよ!
これまでの治療薬は、基本的に重傷者対象だったんだけど、抗体カクテル療法は、軽度から中等症の患者を対象としているんだ!

重症化を抑えることで医療機関への負担を減らすことができると期待されているよ!

今後はどうするの?

政府と協力して、速やかに供給を始めるとしているよ!
【塩野義製薬】鼻から投与型 コロナワクチン開発へ
塩野義製薬は、7月19日に、「東大発の創薬ベンチャーHanaVaxと、新型コロナウイルス感染症に対する経鼻ワクチンの開発に関するライセンス契約を結んだ」と発表しました。
HanaVax社独自の「カチオン化ナノゲルデリバリー技術」を活用して、鼻腔内に投与することで、従来の注射による痛みがなく、効果的に免疫を誘導することができるとしています。
(参考:塩野義製薬)

鼻から投与することに、どんなメリットがあるの?

注射による投与と比べて、痛みがなく、効果的に免疫を誘導できると言われているよ!

さらに、注射など特別な技術が必要ないから、医療環境が整っていない新興国でも使いやすいね!

具体的には、どんな技術が使われているの?

カチオン化ナノゲルデリバリーシステムという技術が使われているよ!

カチオン化ナノゲルデリバリーシステム??

そう!
抗原をナノ粒子に封入することで、鼻の粘膜に保持されやすくすることが狙いなんだ!

粘膜免疫を誘導することにより、ウイルスが体内に入る手前で撃退できることが期待されているよ!

なるほど!
重症化のみならず、感染の伝播そのものを抑え込むことができそうだね!
【ノボノルディスク】開発プログラムを買収 最大12億ドル
デンマーク製薬大手ノボノルディスクは、7月12日に、「米プロテナ社が保有する臨床試験段階の抗体PRX004を含むATTRアミロイドーシスの開発プログラムを最大12億ドルで買収した」と発表しました。
ノボノルディスクは、心臓希少疾患であるATTR型心アミロイドーシスを対象とした開発を行うとしています。
(参考:ノボノルディスク)

そもそも、ATTR型心アミロイドーシスって何?

心臓に「アミロイド」と呼ばれる物質がたまって、心臓の働きが悪くなってしまう病気だよ!

アミロイドって、アルツハイマー病の原因と考えられている物質だよね?

そうだね!
主に心臓に「アミロイド」がたまることが原因で発症するものは、心アミロイドーシスと呼ばれているよ!

開発中の抗体PRX004ってどんな効果が期待されているの?

アミロイドを除去するように設計されているよ!

それにしても、希少疾患の1つの開発プログラムに12億ドルはかなり高額だね!

この開発プログラムに対する期待の高さがうかがえるね!
関連記事

毎週、製薬業界のニュースを厳選して発信しています!
Twitterも始めたので、よかったらのぞいてみて下さい!
https://twitter.com/shinjilabb
コメント