2月から毎週連載を開始し、今回は第25号!
製薬業界で起こった 2021年8月6日までの最新トピックスを 3つに厳選して解説します。

ついに、個別化医療の実現が見えてきたね!

個別化医療の実現によって、それぞれの患者に適した治療が期待できるね!

アステラス製薬では、研究組織を刷新したんだ!

「バトンタッチ型」の組織から「個々の創薬チームが自律的に研究に取り組む」組織への改革を目指しているよ!

製薬企業ではたらく研究者の視点から、順にわかりやすく解説していきます!
【中外製薬】国内初 血液検体で がん遺伝子パネル検査
中外製薬は、8月2日に、「血液検体を使ったがん遺伝子パネル検査である’FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイル’を開始した」と発表しました。
(参考:中外製薬)

そもそも、がん遺伝子パネル検査って何?

「がんの特徴を遺伝子レベルで調べる検査」の一つで、
一度にたくさんの遺伝子変異を調べることができるんだ!

遺伝子変異を調べて、何に役立つの?

最適な薬を選択して、一人ひとりに合わせた治療(個別化医療)ができるようになるよ!
同じ臓器のがんでも、様々な作用メカニズムの薬があるから、個別化医療が望まれているんだ!

今回の、がん遺伝子パネル検査はどんな技術なの?

これまで「がんの組織検体から調べる」がん遺伝子パネル検査はあったけど、今回「血液検体から調べる」ことができるようになったよ!

血液で検査できると、患者への負担が軽減されるね!
今後は、どんなことが期待されているの?

検査をしても遺伝子変異が見つからず、効果的な治療ができないといった課題があったけど、
組織検体と血液検体や他の手法を組み合わせることで、よりたくさんの患者に提供できると期待されているよ!

個別化医療の実現に期待だね!
【アステラス製薬】研究組織刷新 バトンタッチ型からアジャイル型へ
アステラス製薬は、8月6日に、「2021年10月1日より研究組織を変更する」と発表しました。

具体的にはどう変わるの?

「バトンタッチ型」の組織から「アジャイル型」の組織へ変更するよ!

アジャイル型??

アジャイルは、素早いという意味で、
アステラス製薬は「個々の創薬チームが自律的に研究に取り組む」ことを目指しているよ!

どういうふうに変わったの?

今までは、一つの創薬プロジェクトをそれぞれの部署がバトンタッチ型で引き継いで研究を進めていたけど、
今回の刷新で、それぞれの組織が独自に研究を進めて、有望と判断されたら、優先的に資源が投下され、イノベーションが加速することが考えられるね!

画期的な新薬を創出するためにはイノベーションは必須だもんね!
アジャイル型組織は、変化の早い現代に適してそう!

これからは、製薬業界でもアジャイル型組織が主流になるかもだね!
製薬企業 決算情報まとめ①
第1四半期決算または第2四半期決算が次々と発表されています。
今週と来週に分けて、時価総額順に製薬企業の業績をハイライトします。

全体的に、コロナによる受診抑制が緩和されていることで、売上は増加しているよ!
中外製薬
2021年第2四半期決算を発表しました。(参考:中外製薬)
今期(1~6月) | 前年同期比(1~6月) | 通期予想進捗率(1~6月) | |
売上高 | 3902億円 | +6.0% | 48.8% |
営業利益 | 1658億円 | +15.4% | 51.8% |

増収増益だね!

海外売上が伸び、ロイヤルティ収入が好調だったよ!
抗体カクテル療法の「ロナプリーブ」が特例承認されて、売上が予想を上回ることが言われているよ!
武田薬品工業
2021年第1四半期決算を発表しました。(参考:武田薬品工業)
今期(4~6月) | 前年同期比(4~6月) | ||
売上高 | 9496億円 | +18.4% | |
営業利益 | 2486億円 | +48.6% |

増収増益だね!

日本の糖尿病治療剤ポートフォリオ売却で1330億円を得たことが要因だね!
潰瘍性大腸炎の治療薬「エンタイビオ」も好調だったよ!
第一三共
2021年第1四半期決算を発表しました。(参考:第一三共)
今年度(4~6月) | 前年度比(4~6月) | ||
売上高 | 2641億円 | +11.4% | |
営業利益 | 458億円 | +34.1% |

増収増益だね!

エンハーツをはじめとしたグローバル主力品の売上拡大によって、増収増益としているよ!
アステラス製薬
2021年第1四半期決算を発表しました。(参考:アステラス製薬)
今年度(4~6月) | 前年度比(4~6月) | 通期予想進捗率(4~6月) | |
売上高 | 3261億 | +6.2% | +24.7% |
営業利益 | 361億円 | -40.7% | +13.6% |

今年度は増収減益だね。。。

主力品のイクスタンジが予想通り売上拡大し、1329億円売り上げたよ!

ピーナッツアレルギー対象のDNAワクチンの開発中止(215億円)などが響いて減益となったね!
大塚ホールディングス
2021年12月期 第2四半期決算を発表しました。(参考:大塚HD)
今期(1~6月) | 前年同期比(1~6月) | 上期予想進捗率(1~6月) | |
売上高 | 7188億円 | +3.4% | 104.2% |
営業利益 | 1180億円 | -5.8% | 111.2% |

今期は増収減益だね。。。

グローバル4製品(エビリファイメンテナ、レキサルティ、サムスカ/ジンアーク、ロンサーフ)が予想を上回る成長を見せて、増収になったよ!
一方で高利益率の共販終了が響いて、減益となっています。
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